どんなビジネスでも、新規事業がうまくいくかどうかは「始め方」で決まるといっても過言ではありません。
YouTubeは誰でも手軽にスタートでき、軌道修正しやすいビジネスではあるものの、軌道修正ばかりしていては、いつまでたっても収益ゾーンに到達できません。特に今は絶好の「始めどき」ですから、競合より先にチャンネルを軌道に乗せて先行者利益を確定させるためにも、まずはYouTubeの特性を理解し、押さえるべきポイントをきっちり押さえてから発進することが重要になります。
この「始め方」がしっかりしているほど、あとの継続がぐっと楽になります。 そこでここからは、ビジネス系YouTubeチャンネルをゼロから立ち上げるときの手順やポイントについて解説したいと思います。
チャンネルのターゲット設定
最初に行うべきはチャンネルのターゲット設定です。 「誰に向けて情報を発信するのか」が決まらなければ、内容も決まりません。逆にいうと、ターゲットさえ固まれば、おのずとチャンネルの方向性は見えてきます。 とはいえ、ここはそれほどむずかしく考える必要はないでしょう。普段あなたの会社が狙っている層を、そのままチャンネルのターゲットにすればいいのです。 30～50代女性向けの化粧品を扱っているなら、変にひねらず、そのまま 30～50代女性に向けたチャンネルにするというわけです。 逆に「YouTubeだから若い人向けにしよう」などと考えるのはやめた方がいいでしょう。
若い人にウケたとしても、彼らがエンド商品に興味を持ってくれるわけではありません。ファンが増えても本業の売上につながらなければ、ビジネス系チャンネルとしては失敗です。 ターゲット層が最初からある程度見えているのは、企業の強みといえます。
というのも、エンド商品をもたない主婦やサラリーマンが副業でYouTubeを始める場合は、ターゲット設定でまず悩み、漠然としたイメージで始めてしまうケースが多いのです。ターゲットが固まっていないとチャンネルの性格もぶれてしまい、なかなか伸びません。 それに対して企業はこれまでの経験上、どんな人が自社商品を買ってくれるかわかっているので、ターゲット設定で悩むことなくドンピシャな企画を立てられるのです。
ターゲットを設定するポイント
ターゲットを設定する際は「性別」と「年代」は必ず決めましょう。 年代は「20～30代」「50～60代」というように、20代分くらいまで絞り込むようにしてください。 「うちは顧客の8割が30代男性だから」というように、狭いターゲットを相手に商売をしている会社の場合は、もう少し間口を広げましょう。
顧客の8割が30代男性だとしても、30代男性だけをターゲットにするのではな く、30～40代男性まで広げて考えるのです。
YouTubeは2,000人の3％ではなく30万人の0.3％を狙っていくのに適した媒体だからです。
ターゲットを広めに設定すると、自社商品にさほど興味がない人も対象になるためコンバージョン（潜在顧客から見込み顧客への転換点）は低くなりますが、認知は確実に広がり、ブランディング効果も発生します。
採用コストの削減にも繋げる
余談ではありますが、企業の認知度やブランド力は、商品の売上だけではなく採用力にも直結します。 YouTubeで名前が売れてくると「この会社に就職したい」「この人と一緒に働いてみたい」という理由でエントリーしてくれる人が出てくるのです。
言うまでもなく、採用は本来かなりのコストがかかります。人手不足の昨今では、よほどの人気企業でないかぎり募集をかけても応募は少なく、転職エージェントなど使うと、一人の採用につき年収の3～5割の手数料がかかります。
有能な1,000万円プレーヤーを中途採用するためには300～500万円のコストがかかるわけです。
ところがYouTubeで名前を売れば、向こうから「ここで働きたい」と応募してきてくれる。そうなれば、企業規模によっては年間数百万円～数千万円ほどの採用コストを削減できることになるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
YouTubeは簡単に始めることができ、軌道修正できる便利な媒体ですが、スタートが肝心なのも事実です。
何も戦略なしに始めるよりは、ターゲットを設定しきちんとその層を狙って発信した方が効果に繋がりやすくなります。
ぜひこの記事を参考に準備を入念にしてから、今初めてみましょう。
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・ダニエル（YouTubeプロデューサー） 慶應SFC卒、元楽天MVP、（株）ダニエルズアーク代表取締役、「売れない時代にすぐ売る技術」著者 ・累計391万チャンネル登録のYouTubeチャンネル立ち上げ＆プロデュース実績（40以上） ・YouTubeコンサルティング200チャンネル以上（プロデュース系 SEO1位獲得 2022年12月）
