PDCAをまわしていくために欠かせないのがYouTube Studioの機能の一つである「YouTube アナリティクス」です。 これを使えば、視聴回数や総再生時間、インプレッション数(広告が表示された回数)、流入経路や高評価の割合、視聴時のデバイス・OSなど、 PDCAに必要なあらゆるデータを確認することができます。
これらの数値は、チャンネル全体だけではなく動画コンテンツごとに確認することもできます。 いずれもチャンネルを戦略的に運営していく上で重要な要素ではありますが、最初からすべての数値に目を通す必要はありません。
慣れるまでは 「トラフィックソースレポート」「クリック率」「視聴者維持率」の3つだけ をチェックすれば十分です。 それぞれの意味や見方について、順に説明していきましょう。
トラフィックソースレポート(流入経路)
トラフィックソースの画面では流入経路、すなわち視聴者がどういった方法でこの動画を見つけたのかを確認できます。 主なトラフィックソース(流入経路)は下記のとおりです。
● ブラウジング機能(おすすめ動画) YouTubeのトップページや「急上昇」に載ったことによる流入です。こ こに表示されると再生数が大きく伸びます。
● 関連動画
動画再生後、動画の右横(スマホの場合は下)に表示される「関連動画」 からの流入です。人気動画の関連動画として表示されると、これまた再生数が一気にアップします。
● YouTube検索
視聴者がYouTube検索欄で検索してたどり着いた回数です。
● YouTube外からの流入
Google検索やSNSなど外部からの流入です。 立ち上げたばかりの整う期間中は「おすすめ動画」や「関連動画」に載ることがないので、YouTube検索からの流入が9割くらいになるのが普通です。
YouTube検索からの流入が多いことがわかったら、次は視聴者がどんなキーワードで検索したのかも確認しましょう。「〇〇で検索している人が多いから、同じテーマの動画をもう1、2本作ってみるか」というように、テーマ選びやタイトル付けの参考にするためです。
なお、登録者数が1,000人を超えてくると、トラフィックソースは大きく変化します。YouTube検索の割合が減って「おすすめ動画」や「関連動画」からの流入が増えてくるのです。
動画が「おすすめ」「関連」に載るということは、YouTubeから評価され始めている証です。トラフィックソースは、自社チャンネルがYouTubeからどう認識されているかを知る手がかりにもなるのです。
インプレッションのクリック率
次に見るべき数値は「インプレッション」と「クリック率」です。 インプレッションは、動画のサムネイルがYouTube上に表示された回数であり、クリック率は「そのサムネがどれだけ視聴者の目にとどまり、クリックされたか」を表す数字です。
クリック率は、動画をアップした初日ほど高く、時間の経過とともに下がっていく傾向にあります。初日はリピーターやチャンネル登録者など、コアな層の「おすすめ動画」に載りやすいからです。
そのため、まずは初日~4日目までのデータを取ってみてください。初日でクリック率10%、2~4日目で8%を超えていたら合格点で、YouTube から推される基準を満たしていると考えられます。
クリック率が低い場合、原因の多くはサムネイルにあります。クリック率はサムネイルのクオリティに大きく左右されるので、ような点に留意しつつ、改善を図ってください。
視聴者維持率
これは、再生した動画を最後まで見てくれたかどうかを測る数値です。視聴者維持率の曲線は、動画の各時点での視聴回数を、動画の全視聴回数で割った数値で、100人の視聴者のうち最後まで動画を見てくれた人の割合を示します。
視聴者維持率は、YouTubeからの評価を獲得する上で非常に重要な指標です。 テレビ局やその広告主が視聴率を気にするのと同じように、YouTubeも視聴者維持率を最重視しています。
YouTube側は、視聴者に1秒でも長くYouTube内にとどまって、たくさんの広告を再生してほしいと考えています。だから視聴者維持率の高い動画は積極的に「おすすめ動画」や「関連動画」に載せて宣伝します。
もちろん他の指標――たとえば動画のいいね数やコメント数、クリック率なども含めて総合的に判断しているわけですが、もっともポイントが高いのは視聴者維持率だといわれています。
だから自社の動画を「おすすめ」「関連」に選んでもらいたいならば、視聴者が離脱しない、ずっと見続けたいと思う動画を作る必要があるのです。
視聴者維持率の目安としては5~10分の動画で40パーセント以上なら合格点で、この基準を満たせば、YouTubeは同じ属性の視聴者にどんどん動画を拡散してくれるようになります。
また、視聴者維持率のグラフを見ると、何分何秒のところでどれくらいの視聴者が離脱したかなど、視聴者の動きが手に取るようにわかります。ほとんどの場合、もっとも離脱者が多いのは冒頭15秒で、視聴者の半分はここで離脱してしまいます。
ですから動画を作る際には最初の15秒に特に力を入れ、視聴者を離脱させないようにしてください。 また、動画の途中で視聴者が多く離脱している場合は、その直前にやっていたネタがつまらないと思われている証拠なので、内容や話し方、見せ方などを改善してください。
本業の営業トークと同じような内容を話している場合は、離脱者が多い部分を確認し、よりわかりやすく話せるように改善すれば、本業にも好影響が出るでしょう。
まとめ
視聴者とYouTubeにオススメされやすい動画を作る為には、YouTubeアナリティクスのチェックは必須です。
はじめのうちは、以上の3つの数値をこまめに確認しながら、自社チャンネルに何が足りないのかを分析しましょう。