YouTube集客の教科書

「テレビよりスマホ」の流れはシニア層にも波及|YouTube集客と収益化

「テレビよりスマホ」の流れはシニア層にも波及|YouTube集客と収益化

スマホで動画を見ているのは若者がほとんどと思っていませんか。

最近はその傾向がシニアにも現れつつあります。

本記事ではシニアのネット動画の利用推移を見ていき、需要を確かめていきます。

シニアにもスマホの流れが来ている

「最近の若者はスマホばかりでテレビを見なくなった」という話は、もうだいぶ前からいわれていますが、最近では中高年以上にもじわじわと「テレビよりスマホ」の流れがきています。

それを物語るのがシニア世代のスマホ保有率です。MMD研究所の調査 によると、60歳〜79歳のスマートフォン利用率は右肩上がりで伸び続け、 2015年には30.2%に過ぎなかったのが、2021年には84.7%まできています。

いまや高齢者でも大半がスマホを持っているのです。

シニア世代のスマートフォン利用率

出典:2021年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査(mmdlabo.jp)

では、シニア世代はスマホで何をしているのでしょうか。 同じ調査では、60~79歳のスマホユーザーがスマホで利用したことがあるサービスとして「ニュース」「天気」「レシピ」などが上位に挙がっていました。

具体的なサイト名までは言及されていないものの、高齢者は細かい字が読むのが苦手であることを考えると、YouTubeでレシピ動画などを見ている可能性は大いにあると考えられます。

特に2020年以降はコロナ禍で在宅時間が増えたことで、YouTubeの需要が一気に高まりました。インプレス総合研究所がスマートフォン利用者を対象に「自粛期間中どのような活動が増加したか」と尋ねたところ、「無料の動画を見る」(27.5%)が「テレビ番組を見る」(26.3%)を抑えてトップに立ちました。

コロナ禍の影響でネット動画利用が大幅増 「テレビ視聴が増加」した人を上回る

出典:インプレス総合研究所調査|企業で働くクリエイター向けウェブマガジン「CreatorZine(クリエ イタージン)」

YouTubeが主催する広告関係者向けのイベント「Brandcast」でも、コロナ禍が吹き荒れた2020年は、日本におけるYouTubeの視聴人数が飛躍的に増加したと発表しています。 具体的な数字としては「コロナ禍以降、YouTubeの利用が増えた」と回答したユーザーは74%にのぼり、YouTubeにアップロードされた動画の総時間も、前年から80%も増加したといいます。

28.0(%) 「無料の動画を見る」 「テレビ番組を見る」 月間6,500万ユーザーを超えたYouTube、 2020年の国内利用実態──テレビでの利用も2倍に出典:Think with Google

シニア層が好んでYouTubeを見ていることは、YouTubeアナリティクスの数値からも見て取れます。 たとえば社労士が年金に関する情報を提供しているチャンネル「社労士 チヒロ」では、視聴者の91.7%を55~64歳が占め、65歳以上の方も6.5%見ています。

これは決して珍しいケースではなく、老後のお金や健康をテーマにしているチャンネルの多くは、高齢者をメインターゲットにしています。

反応も上々で、たとえば65歳よりも前にもらえる「特別支給の老齢厚生年金」について解説した動画などは266万回も再生されています。

高齢者向けのチャンネルでも、それだけ再生回数を稼げる時代になってきているのです。 ▲ 広告費はネットが一番、オールドメディアは下がる一方

インターネットとテレビの勢いの差は、広告市場にも色濃く現れています。 日本の広告市場成長率をメディア別に見てみると、テレビ、ラジオ、雑 誌、新聞の4大メディアが年々減少し続けているのに対して、インターネッ ト広告の成長はとどまることを知りません。

電通の調べによると、インターネット広告は2019年にテレビを超え、2021年には2兆7,052億円(前年比121.4%)に達して4大メディアの総計2兆4,538億円を上回るにいたっています。

日本の広告費の推移グラフ(2021年まで)

インターネット広告は今後も年10%以上の成長を続けると見込まれています。中でも成長著しいのが動画広告で、2017年にはインターネット広告媒体費の1割未満だったのが、2021年には5,128億円と全体の23.8%を占めるまでになり、2022年には6,000億円を超える見通しとなっています。

動画広告が伸びているのは、動画がそれだけ人目を引きやすく、インパクトが大きいからでしょう。もともと人は動くものに興味を示す傾向があり、街中を歩いていても、動画を流すLED看板と普通の看板が並んでいたら間違いなくLED看板の方に目がいくし、文字や絵だけの看板よりもはるかに強く印象に残ります。

スマホやPCで広告を見るときも同様で、動画広告は1分でLP100ページ分の情報量があるといわれています。

従来のバナー広告やリスティング広告では、運よくクリックしてもらえたとしてもLPを1ページ読んでもらうのが精いっぱいでしたが、動画広告になるとクリック率が高まるばかりか、 クリック先の本編も動画にすれば、1分で100LP分の情報を伝えられる。

しかも動画広告の広告費は従来の広告の数分の一なので、コスパも抜群にいいのです。 とはいえ、それはあくまでも「広告の中ではコスパがいい」というだけのこと――。実は、動画広告よりももっと安く、もっと確実に効果を上げられる夢のような方法があるのです。 その方法とは、言うまでもなく「YouTube」です。

まとめ

シニア世代のスマートフォン利用率についてみてきました。

数字を見ても明らかなように、 YouTubeは今や若者だけのものではないことがお分かりいただけたでしょうか。

シニア世代にも受け入れられつつあり、LPなどに比べて情報量が圧倒的に多いYouTubeは始めるメリットしかありません。