ショート動画が流行しているため、ノーマルの動画の投稿よりもショートに重点を置いた方がいいのではと考える人も多いと思います。
しかし、そこに関しては少し慎重になる必要があります。
本記事では、長尺動画ならではのメリットやビジネスチャンネルはどの動画からスタートするべきかを解説していきます。
YouTubeショート動画ばかり作るのが正解ではない
時代は長尺動画からショートムービーにシフトしつつありますが、だからといって、いきなりYouTubeショートからデビューするのが正解とはかぎりません。 むしろ多くの企業にとっては、従来型のYouTube動画（以下ノーマル） から始めた方が得策だろうと思われます。
ノーマルとYouTubeショートでは、視聴者層も動画制作のノウハウも集客導線も、何もかもが違います。
ショートとノーマルの特色
ですから「ショートかノーマルか」を論じる前に、まずは両者の特色を押さえておきましょう。
ノーマル
ノーマルの場合、視聴者の多くは途中で離脱してしまいますが、10～30秒くらいのショート動画なら、最後まで視聴する人の割合がかなり高くなります。 そのため、ノーマルでは「視聴者維持率」がポイントとなります。
ショート
YouTubeショートの場合は視聴者が最後まで離脱せずに見てくれたかどうかを示す「視聴完了率」が重視され、この数値が高ければ高いほど「おすすめ」に選ばれやすくなります。
短尺とはいえ、最後まで100％視聴してもらうためには、相当な工夫が必要になります。 話すスピードや演者のアクション、テロップなど、さまざまな要素を満たさなければ視聴完了率は上がりません。
TikTokからYouTubeショートに参入し、今もっとも勢いがある「マツダ家の日常」氏は、著書『TikTokハックあなたの動画がバズり続ける50の法則』（KADOKAWA）の中で「ショートムービーを撮るときは尺を1.5秒ずつに分割してストーリーやエフェクトを考えている」と明かしています。
ショートムービーは、それくらい綿密な計算が必要なジャンルだということです。 収益化への道筋もノーマルとは異なります。 YouTubeショートには広告を貼ることができないため、ノーマルのような方法で広告収入を得ることはできません。
代わりに「YouTubeショートファンド」という報奨金を受け取れる可能性はありますが、ビジネス系チャンネルは報奨金ではなく本業への集客や知名度アップが目的ですから、こ れには触れないものとします。
本業の集客に繋げる方法
では、本業の集客はどのように行うかというと、自社のノーマル動画に誘導してチャンネル登録をしてもらった上で、公式LINEやECサイトなどへつなげていくのが一般的なので、どのみちノーマルのチャンネルは必要になってきます。YouTubeショートだけで集客することも不可能ではないでしょうが、汎用的なノウハウが確立されていないため、その路線でいくなら相当な試行錯誤を覚悟しなければなりません。
ノーマル動画にはもう一つ、ストック性が高いという利点もあります。 YouTubeショートでは、投稿した動画が年単位でまわり続けるということはめったになく、バズったとしても短期間で伸び止まり、その後はほとんど閲覧されなくなります。
一方のノーマル動画は、内容によっては数年後まで見てもらえる可能性も大いにあります。おまけに、そうした動画をストックしていくと、ネタ切れになったときに一部を切り取ってショート化し、量産することもできます。
企業がYouTubeショートを使う利点を挙げるとすれば、ショートとノーマルとでは視聴者層がかなり違うので、これまでリーチできていなかった 層にもファンを広げられることでしょう。
また、弁護士や税理士といった属人性の高い仕事はYouTubeショートと相性がいいので、ショートに重点を置いて運営するのもいいと思います。時事ネタを法律や税金の観点から解説するショート動画はニーズが高いので、うまくはまれば一気に拡散するはずです。
まとめ
いかがでしたか。
YouTubeショートが流行しているからといって、それだけを投稿すれば良いわけではないことがお分かり頂けたでしょうか。
ノーマル動画にもメリットがあり、上手に両者を活用することでさらに集客に繋げることができるチャンスが生まれるのです。
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